まずオフグリッドの第一歩として、太陽光パネルで発電した電力をどこに貯め、何に使うのかを整理する。ここ沖縄はとにかく気温が高く、熱中症対策のためにも何より優先すべきは冷蔵庫と判断した。飲み物はもちろんのこと、食材を保存できることでクルージングライフにも愉しみが増える。次に電子レンジ。短時間に加熱調理できるのが魅力で、何をつくるかにもよるが、ガスオーブンよりもはるかに省エネになることも多いようだ。Nydellでは、冷蔵庫、電子レンジを「贅沢家電」と分類し、これを自然エネルギーで発電した電力で賄うこととした。蓄電池にはEcoFlow社のDELTA MAXを導入。2,016Wh の大容量 で AC出力2000W (瞬間最大4200W) を発揮するポータブル蓄電池だ。先日、DELTA MAX に冷蔵庫をつないで消費電力をモニターした。
65W程度の電力なので、89%の蓄電量で19時間も稼働し続けられる。このDELTA MAX が優秀なのは、太陽光パネル、12V DC(シガーソケット)、ACの各種入力ソースから同時に充電ができることだ。例えば機帆走している時に、ソーラーパネルを接続している状態でもさらに 船内のシガーソケットを差し込めば、ダブル充電が可能なのだ。桟橋に着岸している時は、陸電(陸上から専用ポストに100Vが供給されている)からACが供給されており、常に充電ができるので、離岸する時は100%の蓄電状態で、それをクルージング中に消費していくことになるが、ソーラーパネルやエンジンからの供給量が消費量を上回れば蓄電量は減らない。なのでクルージング先のアンカリングポイントや漁港に入港しても、蓄電範囲内であれば電子レンジ等の贅沢家電を使用することも可能になるのだ。Nydellには3000Wのインバーターが付属していたが、 DELTA MAX を導入することで、インバーターは使用しなくて済む。これは系統に組まれたバッテリーに過剰な負荷を強いることもなくなり、いいことづくめなのだ。
そして、さらなる贅沢な試み。蓄電池と同じメーカーであるEcoFlow社製のポータブルエアコン「WAVE2」だ。吸気パイプは操舵室へ、排気パイプはエンジンルームへ、排水は船底ビルジへと、それぞれ配管し、 稼働すると吹出口から冷気が流れ出した。ただ、適用できる面積が10㎡程度のスペースということなので、船全体を冷やすまでは至らないが、酷暑の中で船内作業を行うには十分な能力かと思う。また1泊程度のクルージングであれば、係留先で寝苦しい思いをしなくて良いのは助かる。 EcoFlow社の製品は、 DELTA MAX と同様、iPhoneにダウロードした専用アプリでリモート操作ができるのが良い。表示を切り替えれば現在の消費電力を把握できるのも良い。