台風対策とオフグリッドvol.3

ネットによる台風対策(後編)

前編で建物の形状にフィットするネットを製作し、そのネットがシバー(振動)しないように支柱の上下に取り付けたクリートに固縛するという説明をさせていただきました。

ところで、なぜネットによる台風対策がオフグリッドなのか?

わずか1回の台風で、ネットとの摩擦により建物の支柱、手すりの塗装は剥げてしまいます。
ネットを張ることにより、台風来襲時の不安感は少なくなりましたが、台風シーズン終了後には剥げた支柱、手すりに残った塗料を剥がし、再塗装をしなければなりません。

ここで考えました。
台風という自然の力で塗装を剥がされました。
ではその自然の力を利用しよう

ネットとの摩擦により、「塗装」は剥がされますが、摩擦により「きれい」になる材料を外側に貼ればよい。これは船舶の防舷材から着想した発想です。

ネットと接触する支柱と手すりの外側に摩耗に強いハードウッドを取り付けました。
素材は「マニルカラ」という南米が産地のハードウッドです。比重が1.06と重く、組織が密であることから橋梁や海洋構造物の部材として使われています。

マニルカラも、この建物でデッキ材として使用しているイペと同様に、強い日差しで表面が白銀化します。しかし、強風により発生する摩擦力が、この外板材の表面をサンディングし、地の色に戻してくれるのです。

塗装の剥離は「台風被害」と感じますが、外板材のサンディングとなれば「感謝」となります。
塗料に含まれる有害物質やサンダー(電動工具)とも無縁に台風が作業をしてくれるのです。
自然の力を利用するsaiブランドらしいオフグリッドアイテムとなりました。
お問合せはsaiブランド地球事業部まで。