復興への祈りを込めて

On 13. 07. 2020 by sai1525

美しい構造の橋です。
これは現在進行中のプロジェクトで「南三陸町の中橋」で、基本設計からかかわってきたPJです。
パシフィックコンサルタンツ・隈研吾建築都市設計事務所JV による設計で、地元、福島県の矢田工業さんが元請で工事にあたっています。

この三次元の加工は、スカイツリーの支柱構造を加工した会社へ委託したそうですが、この角度から見ると、よりその優美さを感じることができます。

弊社では床組の基本設計からお手伝いをさせていただき、本来であれば根太、床板の設置工事まで行いたかったのですが、諸般の事情により、根太材の納入のみになってしまいました。
この根太材は「マリンランバー」といい、弊社の沿岸仕様の代名詞となっている製品です。
鉄道の橋梁の枕木にも使用されている信頼性の高い製品で、その売りは何といっても“軽さ”です。
今回は100mm×100mm断面の比重が0.5の製品を納入していますが、5kg/mと、構造材としては非常に軽量な製品です。
「ガラス長繊維を発泡プラスチックで固めたもの」という説明が分かりやすいかと思います。

原料がガラス繊維とプラスチックなので、「腐る要素がない」ロングライフ製品です。
水分を吸収することもないので、このような橋梁に設置する場合、軽量であること、腐朽しないこと、という特徴はライフサイクルコスト面で、非常に有効に作用するのです。

この製品が復興のシンボルとなる橋梁の一部になることを大変うれしく思います。
完成は9月末だそうですが、丁寧に施工され、永い永い役割を果たし続けてくれることを祈念します。
最後になりましたが、芳賀所長、施工を担当される小野寺さん、落成まで無事故が継続し、この地を訪れるすべての方々にこの橋の雄姿を誇らしく見せてあげて下さい。
そして 東日本大震災で被災された方々の鎮魂の場となる復興祈念公園への参道、架け橋として、後々にまで残る施設になってほしいと願います。

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