徳島市ひょうたん島周遊船乗降場浮桟橋設置工事(1)

On 16. 01. 2012 by sai1525

徳島市の中心を流れる“新町川”に幅員5m×延長40mの浮桟橋を設置する工事を受注させていただきました。
一昨年より設計提案を行い、仕様を固めて来ました。ご発注者はNPO法人新町川を守る会様。
新町川を清掃する活動から始め、現在まで25年もの間、徳島市の観光資源である新町川を守り、水を活かしたまちづくりを進めて来られている団体です。
この浮桟橋は、このような活動を徳島市が応援する形で、市が補助金を出し、今回の事業化となりました。
桟橋は、「守る会」の活動の拠点となり、周遊船を係留するだけでなく、デッキ上にシェルターや防護柵を設け、様々なイベント会場としても活用できるような設計とさせていただきました。

現在は、2月からの現場設置工事を前に、東京で浮桟橋フレームの艤装を行っています。
今回のポンツーン(浮桟橋)は、アルミフレームに、イペ(天然硬木)の床板という上部構造を、ポリエチレンフロートで浮かす構造となっており、乾舷を係留する船のステップ高に合わせて設計しています。

現場での設置工事をスムーズに完了させるために、東京で行っている艤装工事の模様をレポートします。

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まずは、今回使用する床板ですが、前述した通り、ブラジル産のイペという硬木です。
日本に輸入される硬木の中で、最も日本の気候風土に合った材料だと思います。
寸法は105mm×20mm。

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フレームはアルミのトラス構造体です。
根太の全延長にEPDMを素材としたゴムクッションを貼り、金属根太の“コツコツ感”を低減させています。

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このように広い作業ヤードで、実際の現場と同様にユニットを配置し、作業を進めることにより、艤装品の位置、接合方法、デッキの目地等をしっかりと検討することができます。

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上の写真は、実際に隣り合うユニットとデッキ材の目地を通している状況です。
天然木材ゆえ、105×30という規格寸法でも、実際の幅は103~106mm、厚さは19~21mm程度のいわゆる交差があります。
これをユニット延長に対し、きれいに配列して行く作業を行っています。

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床板の固定にはリベットを使用しています。
ボードウォークはデッキには、ビスを使用しますが、浮桟橋は、常時、波や潮、風などの外力により揺さぶられ、捩じられる構造物ゆえに、ビスを使用すると、長期的に緩んできてしまうためです。
傍目には、同じような木製の床システムなのですが、立地環境や構造体により、最も適した部材選定を行うことが、長寿命化の鍵となります。

繰り返しになりますが、現地での作業をスムーズに行うために、ここでの作業は「先行管理」が重要なファクターとなります。
安全作業を進めながらも、現地の作業条件、仕上がりの美しさを想定したモノづくりをしたいと思います。

以上

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