グリーンビズを使った壁面緑化

On 20. 12. 2016 by sai1525

水辺のsaiブランドがまさかの緑化工事?
そのまさかが現実となりました。

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2014年に連名でグッドデザイン賞をいただいた秋葉原UDXビル様より、5階のオフィスエントランスにある「のぼり庭」の玉竜が枯れてしまうという相談をいただきました。
私は木材劣化診断士ではありますが、生きた植物の診断をしたことはありません。
そこで、その道に詳しい方々に相談したところ、ステンレス製の躯体内に熱がこもり、水分供給が追いつかないのではとの見解をいただきました。
また、使用されている軽量土壌が風雨で飛ばされている可能性もあると。
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そこで対策として以下の2点を提案させていただきました。
①蓄熱対策
・熱の原因となっているステンレスの蓋を撤去し、風通しの良い木製ルーバーに更新し、熱を内部に滞留させない構造とする
②動かない土壌の導入
・土壌を軽量土壌から、多孔質セラミック基板に更新し、強い風雨にも耐候性を持たせる

発注者様にこれらの提案を受け入れていただき、7月中旬より石川県の圃場で基盤に玉竜を活着させる作業を開始しました。
このセラミック基板は、小松精練さんのグリーンビズという製品で、染色工場の廃棄物を原材料として作られたリサイクル素材です。
原材料は、粘土、地元産の珪藻土、鋳鉄スラグ、それに小松精練さんの余剰バイオマスク。
これを1000℃以上の高熱で焼成することで、基盤内に無数の小さな孔が生まれます。
この孔に水や空気を含むことで動かない土壌を実現しました。
実は同社で開発を進めている「クールベンチ」や「クールパーテーション」の製品開発のお手伝いをしている縁があり、今回の採用に至りました。
新しい分野の仕事とは思いがけない縁が生んでくれるものです。

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160905-3玉竜たちは、石川県小松市の海に近い圃場で、たくさんの日光と潮風をあび、4か月の育成期間を経て、満を持して大都会秋葉原の駅前ビルにデビューしたのです。
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秋葉原UDXビル5階のオフィスエントランスからのぼり庭を見る風景。
いつ訪れても人々が寛いでいます。
そんな風景にこちらが癒されるのです。

2016-12-07_11-05-56_665最後に脇役ではありますが、背面のルーバーをご覧ください。
素材はリバースウッドGT。
ゴムノキの単板にフェノール樹脂を含浸させた新しい人工木材です。
しばらく時間が経つと、床面のデッキ材と色調が同化していくことでしょう。
植物とエイジングする素材の融合で、都会の片隅にオアシスをつくることができました。

圃場で愛情を込め玉竜を育てて下さった皆様、夜間工事に協力してくれたスタッフ、関係者の皆様、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

saiブランド 結城拓士

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