沖縄県総合運動公園橋梁上部工コンペに参加して

On 02. 09. 2015 by sai1525

一昨日、沖縄県立総合運動公園の人道橋のコンペが行われました。
弊社を含め、7社がエントリーしたそうです。
事前に企画提案書を作成し、書類審査が行われ、これを通過した会社が現地でプレゼンを行いました。
名だたる会社を相手に、どこまで弊社の企画(設計)を評議員の方たちの心に訴求することができたのか判りませんが、全力を出し切ったつもりです。

沖縄県では、先日の台風で風速71m/s(宮古島)を観測するなど、風や紫外線、塩害に十分な配慮と耐力を持ったデザインが求められます。
弊社は「」、「」、「」という沖縄の資源との共存をテーマに挙げました。
しかし、これを読み替えれば「台風」「紫外線」「塩害」という生活を脅かす脅威に変貌します。
「風や光を取り込む」にはいかに台風への対策を講ずるのかということになるのです。
そこで軽量な構造ゆえに、いかに揚圧力を抑えるのかを企図し、床板にスリット構造を提案しました。

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プレゼン終了後の質疑応答では、スリット構造の有効性を評価いただくとともに、車いすや視覚不自由者の利用を考えるとスリットはいかがなものかというようなご意見もありました。
有効幅員3mに対し、中央部の1.5mを平貼(車いす、視覚不自由者)に、その両翼をスリット構造とし、障がいを持つ方への配慮を行ったのですが、車いす同士のすれ違いには少し狭いというようなご意見もありました。

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スリットから吹き上げる風や、足元に覗く水面というスリット構造の魅力と裏腹な関係にある「配慮」の設計。
設計の幅員がそれを示すように、私としてはそれを50:50で仕上げたつもりです。
これをどう評価されるか判りませんが、沖縄の自然との共存といった意味では力を出し切りました。

水際の設計のプロフェッショナルとして、できることは全てつぎ込んだつもりです。
さて、焦らず、結果を待つこととしましょう。

===コンペ結果===

9/7付で沖縄県中部土木事務所様よりコンペの結果通知が届きました。
残念ながら「非選定通知書」でした。
弊社として、かなり力を注いだ企画だったので残念ですが、評議会で選定されなかった以上は仕方がありません。
しかし、とても勉強になったコンペでした。
これを糧として、より高みを目指して研鑽に励みたいと思います。

最後になりますが、この場所に素晴らしい橋が架かることを心より期待しております。

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