ルーバー特集【長崎県】

On 08. 05. 2013 by sai1525

saiブランドは水辺の構造物を多く手掛ける会社なのですが、いつのころからか建築物のルーバーも手掛けるようになっています。
中でもとりわけ受注が多いのが長崎県。
なぜかと言うと、そこには「がまだす」な人がいるからです。
そのがまだすな人と過去5年間、ともに取り組んできた案件たちを巡る旅に出ました。
あまりにも数が多いので、抜粋してご紹介します。

長与水道局
高さ(ルーバー長さ)3.8mを上下で固定しただけのシンプルな構造ですが、よれや変形は全くしていません。
もちろん芯材や固定方法に工夫を凝らしていますが、詳細は企業秘密。

長与水道局ルーバー

長与水道局固定方法

JA島原雲仙
1~2階に立ち上がる目隠しルーバーです。
予算の都合から45mm×45mmという小さな断面のルーバーですが、@150mm間隔で配列することで、メインアプローチから見るとこのように視野を遮蔽します。

JA島原

正面から見ると胴縁や、振れ止めスペーサーの存在が解ります。
再生木材は、小さな断面ほど変形しやすいので、このような工夫をしています。

P1030551

長与小学校
写真の手前、奥に加え、写っていない右側にも巨大なルーバーがあるのです。
このルーバーの設計には苦労しました。
105mm×52.5mmの断面を@150mmピッチで配列していますが、躯体と面(ツラ)を合わせるため、胴縁をずいぶんと持ち出しています。
そのため、風圧計算やアンカーボルトの引抜強度の検証を念入りにした記憶があります。
しかし、完成すると苦労した胴縁は、まさに縁の下の力持ち。うっすらと影が見える程度。表面材の美しさを引き立てます。

長与小学校

VIVA CITYエントランス
思い返せば、この施設の設計で「がまだすな人」に信用をいただけたのではないでしょうか。
当時、このような地盤レベルが変わりながら曲がるといったルーバーをどう設計すればよいかということで相談を受けました。
このような設計は、土木分野を専門とするsaiブランドでは日常茶飯事で、防護柵の背を高くする発想で設計を行いました。
互いの弱みを分散し、強味を分かち合う。そんな互恵関係が得られたように感じた案件でした。

ビバシティ諏訪エントランス

ビバシティ諏訪エントランス

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出島ワーフ ボードウォーク
ルーバーはこのほかにもたくさんの事例を案内していただきましたが、あまりにもたくさんなので機会をあらためます。
最後に、今回の長崎の施工物件をご案内いただいた「がまだすな人」が13年前に手掛けられた作品です。
このボードウォークにはハードウッドが使用されています。
現在、新設のデッキはそのほとんどが人工木材となっています。
昨今の環境問題を考えればうなずけますが、やはりこの天然木材の「歴史を刻む美しさ」の魅力にはかないません。
経年変化により、このように銀鼠色に変色します。
人間もそうであるように、適切なメンテナンスをほどこし、永く永く愛される施設であってほしいと願います。

 

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がまだすな人
株式会社三洋工業九州システム 長崎営業所 大木所長
「こどもの城」から、はや5年。
この間、いくつの仕事を共にしてきたでしょうか。
部材の製造から現場まで、一貫してコーディネートする仕事は大変だと思います。
その中で、弊社は設計を担わせていただいておりますが、今回、実際にそれぞれの作品を目にし、とても丁寧に施工されているのが手に取るように解りました。
現場で生まれたアイディアをこれからの設計に活かすことのできるような良きパートナーでありたいと思います。
今回は大変お世話になりました。

 

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